2011年 05月 10日
Naked Raku ワークショップ Part4
一回目の焼成で焼き上がったものを並べてみました。
今回は、すべての作品で同じ化粧土と釉薬を使いました。
いくつかズームアップして観察してみましょう。
制作過程で、学生さんが針で引っ掻いていたものがありましたね、できあがりこちら。
釉薬を垂れ流したモノもありました。
んー、ダルマ?
濃い黒と淡いグレーが混じり合ってます。
Toyganさんの作品。
Sercanさんの作品。
そして僕の作品です。
高台が欠けてしまった。。
内側。
急冷に耐えられなかったのか、本体にも二本亀裂が入っていました。
何がどうなって白黒ついているのか分からない方へ、少し説明をすると、
高温焼成時に作品を取り出しておがくず等の中に放り込むと、一般的に
燃えたおがくずの炭で作品は炭化して真っ黒になります。
しかしNaked Rakuでは、化粧土や釉薬を使ってその「炭化の度合いを調節」するんです。
今回の作品群で簡単に色の区別をつけてみましょう。
白い部分 → 化粧土+釉薬 → 炭化しなかった
グレー → 化粧土が厚かった etc... → 淡く炭化
淡い黒 → 化粧土のみ → ほぼ炭化
真っ黒 → 何もかかっていなかった → 完全に炭化
今回使った化粧土は、それだけではかなり炭化してしまいましたが
淡い黒になるかグレーになるか、化粧土の原料や厚みによって変わるので、
違う化粧土を使えばまた違う雰囲気が出ます。
ヒビの入り具合も化粧土によって変わりますから。
Naked Rakuで一番重要なのは、好みの雰囲気の出る化粧土を見つけること。これにつきます。
そういうわけでNaked Raku作家さんにとって化粧土とは、いわば秘伝のタレみたいなものなのです。
さて、改めて僕の器を観察を見てみましょう。
内側にところどころ入っている亀裂のような線は、素焼きに塗った化粧土がひび割れたところです。
そこから炭が混入して黒く炭化しているんですね。
それはまあ分かるけど、黒い斑点は何なの?・・・と思った方、あなたスルドイ!
拡大。
黒い点を中心に、ぼやーと炭化部分が広がってます。ピンぼけじゃないですよ。
Part1での化粧土の調合時に、女の子二人が砂糖混ぜてましたね。そう、あれです。
なんと化粧土に砂糖加えると、斑点状に炭化するんです。面白い!
なぜそうなるのかってのは分からないみたいだけど。。。化学の先生にでも聞いてみたいね。
実験結果では、グラニュー糖を溶かさずに加えた方がいいみたいです。
ちなみに、白と黒ではなく他の色での表現はできないの?という質問がありましたが
黒は炭の色なので変えられませんね。
でも素地の色なら、粘土を変えたり顔料を混ぜたりすればいいわけですから可能です。
ほとんどの作家さんは、白と黒で表現しているみたいですが。
今現在、Naked Rakuをされている作家さんは欧米にたくさんいますが
その中でも有名な作家さんはこの方々です。
Alistair Danhieux
Wally Asselberghs
Anne Carrel
Simcha Even-Chen
Jan Lee
Dan Leonette
Allyson May
Brigitte Moron
Sue Morse
Charlie & Linda Riggs
David Roberts ← オススメ!
Roland Summer
興味がある方はリンクをのぞいてみてください。
ついでに、上記リストにあるRiggsさんのワークショップのビデオがありましたので紹介します。
ビデオを観ると、彼は釉薬を使わずに化粧土だけを素地にかけられているようです。
4:50から真っ黒になった化粧土がはがれる様子が観られます。
化粧土を上手く調合すれば、それだけでこんなに面白い表現ができるんですねえ。
Naked Raku ワークショップ・シリーズ、もうちょっと続きます。
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ですが、あれですね、この技法って、表現者の自己満足に陥りそうな感がありますね。
とりあえず何をやってもほどほど面白いものができあがりますしね。
面白いけどただそれだけって感じは否めないかも。
でもそれを乗り越えていかに個性的で斬新なものを作れるかってことが
この技法で作品を作る人の課題かもしれませんね。
トルコのRakuの作家さん、まだまだ欧米の真似っこでして、同じようなものが
できたってことに満足しているだけの段階のような気がします。